スティックブロッコリー...無惨

 夏前にプランターに植えたスティックブロッコリーを処分しました。無念。葉を根こそぎ食われても頑張って生きてきたスティックブロッコリーは遂に先端から腐り始め、死を待つのみとなったので介錯をした形となります。

 原因はモンシロ蝶の幼虫による食害。奴らの執念は凄まじく駆除しても駆除しても葉っぱが1枚でもある限り卵を産み付け苗を丸裸する。

 もうね、農家が農薬を使う理由が分かりましたよ。

 アゲハ蝶の幼虫は白黒だから一目で分かるけれどモンシロ蝶の幼虫は初めから緑、かつ葉脈に擬態し葉の裏に隠れるという徹底的とも言えるステルス性。段ボール被るオジサンにも少しくらい見習ってほしいレベル。

 晴耕雨読なんて悠長なことを言っていると雨の間に葉を食い尽くされます。酷い時には1枚の葉に5匹の幼虫がいてオーバーキルもいいとこ。どう考えても幼虫に対し葉の量が足りない。

 人力で累計30匹以上は駆除しましたが、ニンジャ用語でいう『ジリープアー』、数の暴力には勝てませんでした。

 

 僕とモンシロ蝶の因縁は深く小学生の頃まで遡る。

 授業でモンシロ蝶の幼虫を育てるというものがあり、各自校長が植えたアブラナから幼虫を捕獲しキャベツを与え育てていた。僕も5匹程捕獲し、ケースに入れ飼育していたことを覚えている。

 しかし、この授業は担任の予想を超えた結末を迎える。

 皆さんは『アオムシコマユバチ』という蜂をご存知だろうか。この蜂は若いアオムシを見つけると産卵管を突き刺しアオムシの体内に数十個の卵を産み付ける。アオムシの体内で孵化した蜂は宿主たるアオムシの体を内側から食べ、最終的にはアオムシの体を食い破り外に出てくるのだ。

 もうお気付きだろう。この恐怖の蜂にクラスの幼虫の大半は寄生されていたのだ。ケースの中には優雅に舞うモンシロ蝶ではなく、変わり果てた幼虫と大量の黄色の蛹。一部の蛹は羽化し、けたたましく蜂が飛び交っていた。

 最悪なことにアオムシから蜂の幼虫が飛び出る様子を目撃した女子児童がおり、無事保健室送りとなった。ちなみに僕の幼虫は5匹中4匹が寄生されていた。これはマシな方で、全滅したクラスメイト多数。もはや授業にならなかった。

 この授業では幼虫が蛹となり蝶になる過程を観察することが目的であったと思われるが結果として知識ではなくトラウマを植え付けただけとなった。今思えば、この授業で唯一得をしたのは児童を使い楽に害虫駆除を行った校長である。

 ちなみにクラスメイトの飼育ケースは担任が責任をもって処分した。当然の報いである。

 

 

 家庭菜園については来年以降、ネットを掛けて育成するか、アブラナ科を育てないかの2択である。正直、後者の方が楽ではある...