Gとの戦い

 動物界

 節足動物

 昆虫綱

 ゴキブリ目

 ゴキブリ科

 ゴキブリ属

 クロゴキブリ

 

 『じょうじ』

 

 視界の角にヤツが映る。完全に油断していたので臨戦態勢に入るのが遅れてしまう。その隙にゴキブリは物陰に隠れてしまう。ウカツ!

 慌てふためく母を尻目に朝刊を丸め太古からのコックローチバスターを作成。続いてチャドーの呼吸で気を研ぎ澄ます。

 明鏡止水と化した脳に呼吸により酸素が送られ1つのインスピレーションを生む。

 

 武器が必要だ。それも打撃武器以外のものが。

 

 ゴキブリの視力は意外にも余り良くない。しかし腹部の後端にある尾葉の感覚毛は敵の動きを《空気の流れ》で感じ取ることができるのだ。力押しだけでは相手に分がある。テラフォーマーズを読んでいて本当によかった。

 インダストリーの力を借りる。ニンポを使いたいがまだ僕には使えない。

 

 金鳥「蚊がいなくなるスプレー」

 対ゴキブリ用の専用品が欲しいがピレスロイド系殺虫剤はゴキブリにもジッサイ有効である。

 

 いざ、尋常に勝負。

 

 大日本除虫菊株式会社「蚊がいなくなるスプレー」

 創業以来、親の仇のように虫を殺し続けて1世紀以上の同社が開発した新兵器。

 プシュッと1発で夜の蚊による安眠妨害を防ぐ優れものである。

 主成分はドイツ、バイエル社が開発したトランスフルトリン。この成分は常温常圧下では拡散性が高く、空気中で速やかに酸化され毒性を失うため人間への被害はほとんどないが、昆虫類・爬虫類・両生類に対しては神経毒として作用する都合良い物質である。

 

 ヤツが隠れて物陰に1発。ピレスロイドを恐れたGは全力疾走。ウカツである。

 

 イヤーッ!

 

 そこに待っていたのは狩人と化したウルチ。ニンジャソウルは憑依していないが、BIGBOSS直伝のCQCを会得している。正確無比な一撃がゴキブリの食道下神経節を破壊した。

 

 平和は守られた。ゴキブリの遺骸はトイレの神様に委ね、ソファに腰を下ろす。

 

 久しぶりの実戦は加齢による衰えを否応なしに実感させられた。本来の力ならばゴキブリは爆発四散していたはずである。今後はクレイモア地雷のように嫌らしくブラックキャップを仕掛け対処することとする。