コンポタは水の代わりにはならないし、してもいけない。

 仕事の帰りに寄ったスーパーで1Lのコーンポタージュ(以下コンポタ)が189円で売っていたので、購入した。これでしばらくコンポタ飲み放題である。やったぜ!

 僕は無類のコンポタ好きである。うまい棒のコンポタ味をまとめ買いするレベルである。いつもはクノールなどのお湯を入れて粉を溶かすタイプのものを購入しているが、今回の1Lものは既に液体であることがポイント高い。

 僕の普段の朝食はトーストと目玉焼きに水である。トーストならコーヒーだろとツッコミが入りそうだが、仕事の前にカフェインを摂取するとトイレに困るから飲まないのだ。

 この朝食メニューにコンポタを追加...ではなく水とコンポタをチェンジしてみた。

 いつものコップに並々と注がれるコンポタ。幸せな光景である。

 トーストを食べ、コンポタを飲み、目玉焼きを食べ、コンポタを飲み、コンポタを飲み...あれ!?

 異変を感じ手を止める。コンポタを飲むペースが早過ぎる、美味しいからではない、依存症でもない、『何か』を体が求めている。

 コンポタを飲んでも『何か』は満たされず、渇きさえ覚える。

 時間もないので朝食を食べ進めるが、新たな異変に苛まれる。胃が重いのだ。

 コンポタは以外重い。そもそもコンポタはスープのカテゴリーに属す食品であり、コップに注いでグビグビと飲むものはないのだ。

 

 『喉が渇いた』....あれ?

 

 渇きこそ『何か』の正体だったのだ。僕の体はコンポタから水分を摂取できないらしい。それでも水分を求めコップに手を延ばす。しかし入っているのはコンポタである。水を求め、コンポタに手を伸ばし、また水を求める...無限地獄。

 この地獄から抜け出すために別のコップに水を汲み飲み干す。

 なんとか渇きは癒せたが、胃が重い。辛い。

 

 残酷にも出勤時間が訪れる。仕事に行かねばならない。

 

 職場についても体が重い。コンポタの呪いだ。愛すべきコンポタを水の代わり使うなどしたからだ...