世の中には2種類の人間がいる。
『コオロギ』を食べたことがある人間と食べたことがない人間だ。
もし、君が『コオロギを食べたことがない人間』なら、ここから先に未知の世界
『こちら側』がある。
いつものディスカウントストア、本ブログでの呼称『例の店』の仕入担当が正気を取り戻すという悲劇により、ブログのネタが収集出来なくなってしまった。
嘆いていても仕方ない。テーマソングが特徴的な青いペンギンの店に弟と買い物に行く。
見切り品コーナーの一角から弟が何かを手にやってくる。
Super コオロギ OTSUMAMI No 02:PIZZA
Super コオロギ OTSUMAMI No 04:WASABI
・・・何という強者を持ってくるのだ、弟よ。
「50円だって。買う?」
「当然」
愚問である。弟から2種のコオロギを受け取ると、なんと彼のカゴにも同じものが入っているではないか!血は争えないものだ。
おつまみ(OTSUMAMI)と記載されているので、お酒と一緒に味わうのが礼儀であろう。グレンリベット12年と共にいただく。
実食のレビューの前に先に書かせて欲しい。
済まない。グレンリベット。
今回はブツがブツだけに、形状の観察から始める。コオロギと言っても丸々1匹入っているわけではない。昆虫の体は頭部・胸部・腹部に分けられるが腹部のみだ。大きさは不揃いでおよそ10~18mm程。硬い足や頭がないのは有り難い。
なぜならば、喉に足が刺さり耳鼻咽喉科を受診する危険性がないからだ。想像してほしい。問診票に【コオロギが喉に刺さった】なんて書く光景を。看護師に失笑され、最悪の場合、珍しい症例として学会発表されてしまう。
いざ、実食。ピザ味に挑戦だ。
単刀直入に言おう”素材の味を活かし過ぎている”
シーズニングで誤魔化さなかったことは評価できる。味なんて強く付けることは難しいないはずだ。しかし、仮に強力にカレー味を付け過ぎるとサクサクしたカレー味の何かとなり、コオロギを食べるという意味が薄れるのではないか?
味としてはキチン質の味だが、エビやカニのそれとは一線を画す。これはクチクラの構造の違いによる味の違いだろうか。この違いは致命的で、後にある思いを呼ぶのだ。ちなみにエビの尻尾は好きです。
食べれなくはないが、美味しくはない。正直に言えば不味い。そして食べれば食べる程、頭を過る不快害虫。
きっとゴキブリもこんな味なんだろうな......同じ昆虫だし。
そう思うと手が止まる。ピザ味とあるがピザポテト等を想像してはいけない。素材の味が強いのもあるが、そもそもピザ味がピザ味していない。言われても気付かないレベルなのだ。
アルコールで流し込む。名スコッチであるグレンリベットに対する侮辱とも言える行為だが、水を飲むと口いっぱいに拡がるのだ。コオロギ(ゴキブリ)が。
結論として、おつまみとしては向いていない。
居酒屋のメニュー表を想像してほしい。枝豆や玉子焼き、冷やしトマトの横にコオロギがある姿を。明らかな異物ではないか。
唯一褒めるとしたら食感はいい。サクサクしてる。
しかし文句を言うだけなら小学生でも野党でもできる。僕は違う。活用の方法を考えた。
地球環境に優しく低カロリー、高たんぱく点は特筆に値する。現在は需要と供給の関係上、高価格だが一般化すれば価格は低下するだろう。
問題は味と見た目。味というのは好みが大きいが恐らく好む人間は肉や魚に比べ少数であろう。見た目は言わずもがな。
粉末にして何か別の味の強いものに混ぜ込む。錠剤化してサプリメントとするのも良いと思う。
問題は残った3つのコオロギをどう処理するかだ。
1つ増えているが、これは弟が1口でギブアップしたためである。
『こちら側』に来たいのなら、止めはしない。ただし警告はする。
並の覚悟では踏み入ることができない領域が世の中にはある。
これもその1つだ。