日本特殊陶業(5334)の購入

 米国のETFをメインとする僕が日本の個別株を買った理由。

 日本特殊陶業を簡単に説明するとスパークプラグを世界各国で売っている会社です。スパークプラグは内燃機関の燃料に引火させる部品で、ガスコンロの着火時のアレと基本的には同じものです。

 現在、世界ではEVへの移行が進んでおり、売上の大半をスパークプラグに依存する日本特殊陶業は斜陽企業と認識されているのか、株価が割安のまま放置されています。

 

 今回、僕はこの日本特殊陶業の株を購入しました。

 

 その理由はEVの将来性に不安があるからです。端的に言えば、僕は現行のEVシフト計画はうまくいかない可能性があると思っています。

 例えばイギリス。2035年にはハイブリッド車すら禁止し全てをEVにする計画です。現在2023年なので後12年です。12年の間にイギリスは内燃機関で走っている車、全てを賄える発電及び蓄電設備を導入する必要があります。しかも、その発電方法は火力以外で補う必要があり、追加で洋上風力発電原子力発電所を建設しなければなりません。

 充電設備にも課題があります。人気のテスラ『モデル3』等は航続距離が長いから帰宅後、自宅の100Vで充電して翌日使用がメインの使い方になります。今後発売するEVもこのテスラ『モデル3』をベンチマークとして開発するでしょうから、同様の運用が可能でしょう。これなら問題がないように見えます。しかし、全てをEVとすると全ての人が自宅で充電をきちんと行ってくれるでしょうか。ちなみに僕はスマホの充電を忘れることが多々あります。そうなると充電スポットの出番ですが、テスラのスーパーチャージャーを使っても15~30分かかります。航続距離=蓄電容量=充電時間の長さである以上、ガソリンスタンド並みの速度にするには技術革新が必要です。

 何よりの懸念は世界の覇権争いです。ウクライナを舞台に西側VSロシア(と仲間達)の戦争が継続中です。西側にはロシア以外にも懸念材料があります。中国です。そして現在世界一のバッテリー企業は中国のCATL。急速にEVを拡大したい場合、中国の力を借りないといけません。地球環境を守るためにリチウムの採掘で地球環境をぶっ壊す中国に頭を下げ、自動車というライフラインに等しい物の命運を握らせる。実に愚かではないでしょうか。

 

 そもそも、EVへのシフトは地球環境保護地球温暖化防止のためです。先日、日経クロステックの記事で以下の内容が書かれていました。

油田からタイヤを駆動するまでのCO2排出量であるWell to Wheel(WtW)やLCA(Life Cycle Assessment、製造から廃棄・再使用までのすべての段階を通して環境負荷を評価する方法)で考えると、EVもハイブリッド車(HEV)もCO2排出量は同程度か、中国、日本などではHEVのほうが少ないとも言われている。

 これが事実ならHEVで良いのです。つまりハイブリッド車はエンジンを積んでいるので、当然スパークプラグは必要なのです。

 

 さらに大々的にEVシフトを訴えている主な国はG7+中国。つまり金のある国だけです。ついでにEVシフト組で人口増加しているのはアメリカくらいで、他は人口減少に入っています。人口が増加している国は自動車の需要も高く、EVを走らせるインフラも不十分。スパークプラグは消耗品なので、自動車が走る限り必要な部品。これらを鑑みると日本特殊陶業の未来は割安で放置される程、暗くないと僕は思います。