フルステンレスは男のロマンである。
職場で署名の景品としてボールペンを貰ったことがありました。それは職場支給の低性能ボールペンより明らかに安く使い捨てること前提とした愛のない設計のボールペンでした。樹脂製の本体は厚みがないため、強く握ると軋むうえ、黒インクなのに芯の外装が不透明な白のためインクの残量も分からないし、書き味はダイソーの10本セットのボールペンよりましな程度。
そんなペンでも貧乏性な僕は捨てることなどできず、仕事場でチェックリストのチェック用ペンとして使っていました。
ユニフォームの上着に他のペン(ジェットストリームの4色ペンと職場支給ペン)と一緒に入れていた景品ペンは、僕が屈んだ時にパキッと割れてしまった。不幸中の幸いな事に外装が割れただけで、芯は無事であったため上着がインクで汚染されることはなかった。
こうなったら、本体が頑丈なペンを探してやる!
こんな流れで見つけたゼブラ F-701
本体は全てステンレス製。こいつを上着のポケットに入れて屈んでも破損するのは、間違いなく僕の腹である。CASIOのG-SHOCKと同じ愛すべき過剰スペック。まさに男のロマン。
本体のグリップ部は凹凸加工され滑ることなく、クリップも当然金属であり持ち歩く際にクリップ部が割れるなんてこともない。
しかしながら、全てを手放しで称賛できる製品でない。2つ欠点がある。
1つ目は国内未発売であるということ。
こんな面白い製品を日本メーカーなのに日本で売らないとかゼブラさんは何を考えているのか。
まあAmazonで簡単に買えるけど。
2つ目は書き味は至って普通であること。
普通の何が悪いと思う方もいるだろうが、普段ジェットストリームやユニボールを使う僕からすれば、普通のペンには戻れない体になっているのだ。そもそもゼブラにはサラサシリーズを生み出した優れた技術があるので、油性インクも本気で開発して欲しかった。
ちなみに、この欠点は改善が可能である。ゼブラ製であるF-701に使用するF<0.7>をUniの『SJP-7』という替え芯に換装するのだ。
Uniの『SJP-7』はパワータンクという加圧ボールペンの替え芯であり、3000hpaという太平洋高気圧が裸足で逃げ出す圧力を金属製レフィルで抑え込むという、これまたロマン溢れる設計をしている。書き味自体はジェットストリームやユニボールの後塵を拝するが、その代わり上向きや氷点下といったボールペンが苦手な環境でも性能を発揮することができる。
ジェットストリームやユニボールがエリートサラリーマンだとすると、この換装F-701は無骨な軍人である。
調べてみるとこのF-701は海外ではEDCのアイテムとして文房具+護身・非常時用アイテムの役割で人気なようだ。確かにボールペンとしては、かなり堅牢な部類に入るため、文房具以外の使い方も出来なくはないとは思う。
このような使い方はしたくないが、文房具として使うだけなら他にもいい製品がある。F-701は外出用のバックインバックに耐水ペーパーとセットで入れておきます。