あっという間に全土制圧。
15日、タリバンはアフガニスタンの首都カブールを制圧した。大統領府もついでに占領し勝利宣言。
大統領はそそくさと国外脱出。数と装備に優れていた国軍は兵士として最も重要な士気が皆無なので投降したり脱走したり散々な結果に終わった。もっとも組織的な反撃を行わなかったことで余計な血が流れることが無かったのは幸いだ。
僕に活かせる教訓としてやる気のない奴らに時間と金をかけても徒労に終わるということだ。
タリバンが記録的とも言える快進撃は国軍の士気の無さの他に、そもそもタリバンは地元住民から一定の支持があること(民主政権は汚職が酷いことも手伝っている)、パキスタンからの支援となるべくしてなった感が強い。
これからのアフガニスタンはどうなるだろうか。とりあえずタリバンは前回の政権と同じ轍を踏まないように中国からの承認を得た。中国の王毅外相と予め会談していたのもこのためだと思われる。
タリバンは元々アフガニスタン人(多くの部族があるがここでは省略)が対共産主義政権に対抗するために出来た土着イスラム過激派なので政権を維持する地盤がある。イスラム教スンニ派の人達。穏健派と強硬派がいて強硬派とアルカイダは仲良し。
イスラム過激派と言えば他にアルカイダとISISがいる。簡単に解説すると
アルカイダはアメリカに徹底的に攻撃され組織的行動が難しくなったテロリストグループ。9.11を引き起こした連中。問題は組織として行動できなくなったので、世界中のイスラム主義組織を繋ぐ概念、というかネットワーク化している。国際的イスラム過激派ネットワークと言える。タリバンと同じイスラム教スンニ派だがより過激派。
ISISは日本語にするとイラク・シリア・イスラム国。元々はイラクのアルカイダだったが改名した。ビンラディンがアルカイダを仕切っていた時は同盟を結んでいたものの、アルカイダもドン引きするレベルの残忍さだったため決別。しかもISISのボスが自らこそイスラム教の指導者だと言い始め、アルカイダの怒りをかった。現在はアルカイダと絶縁というか敵対関係。上の2つよりも組織的というか国家的。
アルカイダがイスラム教過激派のネットワークとすれば、ISISはイスラム教過激派の理想郷(国)を作ろうとする集団。
アメリカはどうするだろうか。噂によると装備ごと無傷でタリバンに渡ったスーパーツカノを破壊するためにB-52を派遣する準備をしているらしいが、破壊したところでタリバン政権はびくともしない。再び派兵すれば民主政府を再度樹立できるが、上手くいくとは思えない。
一番厄介なのはアルカイダが再度、力を蓄えることだ。一応、アメリカとの和平交渉の際にタリバンはアルカイダと関係を断つことを約束したらしいが、正直言って微妙なところ。しかも中国からアフガニスタンへの支援の名目で投資があるだろうから、金銭面は困らない。中国にしてはイスラム教繋がりでウイグル族を支援されては困るから金で釣っておく必要があるし。