ミニストップのシャインマスカットソフトクリーム

 たまには僕だって普通に美味しいものを食べるのだ。

  僕、ウルチの家の近くにはミニストップが2件もある。ミニストップは他の大手コンビニエンスストアに比べて店舗数が少ないことから、結構レアな地域にウルチは住んでいるのだ。

 コンビニはATMを利用するためにローソンとセブンイレブンを利用するくらいで、基本的には店として利用することはない。外出中に喉が渇いてもスーパーかドラッグストアに行く。コンビニは高い。

 そんな節約志向のウルチが何故タイトルのミニストップのシャインマスカットソフトクリームを食べたかというと、横に母が居たからである。うちの母はシャインマスカットが大好物なのだ。

 その日は暑かったこともあり、買い物帰りに買ってあげる約束をした。ちょっとした親孝行のつもりであった。この時、まさか驚愕の連続に襲われることになるとは夢にも思っていなかった。

 ミニストップに数年ぶりに入店し、レジで注文をする。税込313円はこの前買った杏仁豆腐とコーヒーゼリーとプリンに比べて倍するが、気にはならない。親孝行とはプライスなのだ。勿論、僕も食べるため2つ注文。

 財布から千円を取り出し、店員さんに渡そうとすると拒否されてしまう。まさかのプライスレス...ではなくセルフレジになっていた。遂にコンビニまでセルフ化の時代である。

 しばらくして出てきたシャインマスカットソフトクリームは想像と違っていた。ソフトクリームのコーンの部分が大きなワッフル生地だったのだ。僕の想像していたコーンは安く、薄く、軽くの3拍子揃った如何にも安物な品物であったがいい意味で期待を裏切られた。ガンダムで例えるとジムが配備されると聞いて格納庫に行ったらジムスナイパーⅡが置いてあったレベル。

 長めのスプーンも貰え、車の中でいざ実食。

 正直、食べる前から濃厚なシャインマスカットの香りで相当期待値が上がっていたがその期待を上回る美味しさ。濃厚かつ芳醇。

 恐らく、この味を出すために敢えてバニラの味を抑えているのであろう。その判断は実に正しいと思う。ナポリタン味のアイスを出す某企業は見習うように。これが製品開発だ。悪ふざけも過ぎれば毒となるのだ。

 世の中の人は僕がアップルパイ味の焼きそばやコオロギを食べている間、こんな美味しいものを食べていたのか。この味を知らずに今まで僕は生きてきたのか。最早、絶望である。

 正直、ハーゲンダッツすら霞んで見える。ワッフル生地のコーンも実に美味い。やや硬めなので奥の方のクリームが食べにくいと感じたが、そこで貰ったスプーンが活躍する。濃厚かつ芳醇なクリームに香ばしささえ感じるコーン、その弱点を埋める長めのスプーン。何という組み合わせ、何というコンビネーションなのか。

 

 ここ数年で1番感動した。コンビニ恐るべし。